南条あやと李良枝と水村美苗
今日で今年度も終わりですねー。
そんな訳で日経ソフトウェアさんにこの記事を書き終わったら突撃したいと思います。
(俺のいきなりプログラミング第二話がまだ出来ない……というか公式さんから返答がない!)
人の痛みを完全に理解するのは難しいけれど、想像力で補強することはできる。
その為にも、皆、本を読もうぜ!
なんてことを昨日唐突に思った訳です。
(ほんと唐突だな)(しかも仕事中に)
何故かというと、多分昨日がこの人の命日だったからですね。
この人がどういう人だったかは↑のリンクを見ていただくと共に
ネットアイドルだった鈴木純の命日~南条あやによせて~ - きのこのこの雑記帳
南条あやちゃん関連の2016年現在で閲覧可能なログまとめ - I READ THE NEWS TODAY, OH BOY
先輩方の記事を読んでいただくとして。
そして久々に、この本を読みました。
いやあ……。
痛いなぁ。
もう何十回も読んでますけど、痛い。
自分はただ自分でありたいだけなのに、それが出来ない。
ああ、苦しいなあ。
こういった種類の「痛み」「苦しみ」を囁いてくる本は他にもあって。
20年前の本…!?
李良枝(い・やんじ)さんの短編集。
この本は短編集なのですが、その中でも「由煕(ゆひ)」という話が痛い。
南条あやのように自分のことを自分の視線で語る(日記)ではなくて、由煕という架空の二十七歳の女の子が語る(小説)の痛みと苦しみ。
日本で生まれ育った由煕。馴染みのあるのは日本の文化ですが、背負っている背景/血筋は韓国。だからこそ韓国に馴染もうとした。自分の魂を韓国という器に馴染ませようとした。でも出来なかった。
(何故できなかったのかは是非読んでいただきたいです)
ああ。
これも痛いなあ。
この「痛み」と近いことを「日本人」側から書いたのが恐らくこの本。
私小説―from left to right (ちくま文庫)
- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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幼い頃にアメリカに移り住んだ女性、「美苗」の物語。
暮らしているのはアメリカだから、アメリカの文化になじもうと努力するも、「日本生まれ」であることが壁になる。
この小説の中で印象的なのが美術教師(アフリカ生まれ)が授業の手伝いを頼むのが必ず美苗であるシーン。日本生まれ。アフリカ生まれ。アメリカ(ヨーロッパ生まれ)との差異。
高校生の時、これを読んだのですがあまりの痛さと苦しみにこの本を勧めてきた教師にくってかかった思い出。
……とここまで色々と書きましたが。
私が感じたこの「痛い」とか「苦しい」は彼女たちが感じていたものと当然別物である訳で。
ここで下手に知った顔をすると、蹴り飛ばされる訳です。
人の痛みとか、苦しさとか悩みとか。
絶対理解は出来ない。
理解は出来ないけど共感することは出来る。
その為には想像力が必要なんですけどね。
私も足りてるかなあ。
映画でも漫画でもドラマでも、自分ではない誰かの人生を見て、彼らが抱く感情に共感することが出来る。でもこれって「絵」なんですよね。「絵」は自分で「ここにこれがある」って気づかないと気づけない。
対して本(小説)は文字だけで背景も登場人物の表情も感情も匂いも音も感触も表現されている。
それが実際にどういったものかは自分の想像力で補完するしかない。
だから皆!
本読もうぜ!!
皆が想像力を持てば、幸せに近づけると思うんだ……!
うん。
ひとまずおやつにしよう。
(あれ、日経さんへの問い合わせは?)