佐々木中【しあわせだったころしたように】を語る
明日はいよいよUVERworldのライヴです!
明日明後日とブログが更新できません。
週一更新を目標にしている私としては、間が空くのは嫌なので今日更新しに来ました!
本当は音楽(とあるバンド)について書こうと思ったのですが、ちょっとそのバンドについて書くには彼らの音楽をもうちょっと聴くべきだよなと思ったので、また今度。
今日は、本について――小説について――いや、あるお話しついて、書こうと思います。
佐々木中(ささき・あたる)さんが書いた「しあわせだったころしたように」
というお話について。
佐々木中という人
まずは作者の佐々木中さんという人について。
wikipediaによると。
佐々木 中(ささき あたる、1973年8月2日 - )は、日本の思想家、作家。京都精華大学人文学部教員。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。
作家よりも思想家が先に来ています。
生粋の(こういう言い方をしていいのかは若干迷いますが)作家さんではないのですね。
……。
これだけで難しそなことやってる人だなーという印象ですね。
本の内容
そんな佐々木中さんが書いた「しあわせだったころしたように」。
ストーリーはこんな感じ。
「母さんが残したノートを読んで欲しい」
姪からそう頼まれ、主人公は姉の残した膨大なノートに目を通す。
そこには誰も知らなかった姉の秘密が語られていた。
その秘密を知った時、主人公は……。
まとめるとすごく単純。
でもね、実際の文章は全然単純じゃないのですよ。
一部を引用してみます。
うらがなしい、という形容すら何かもどかしく擽ったい地虫の声の、鉄気がつよい冷たい鳴りが這いつくばう様に低くひくくひろがり、さらめく風か、それとも風に揺すられたものたちの音か、おのれの聞こえを訝しませるかそけさで無音の灰色の陰りからほのかに浮き立ち、追って人の明け暮れの音々が間遠にさざめいた。風呂の湯が流れ桶が転がる音、遠いラジオかテレビの音、子供が廊下を走る、それを叱るでもないふうに追いかける笑みをふくんだ太い男の声が。つとに聞こえていたに違いなかった。
どうしてこうも幾たびも聲する。今夜は。
(しあわせだったころしたように・11P~12P より。なお、一部パソコンでは変換できなかったため、ひらがな表記の箇所があります。ご了承下さい)
書き写してて思ったんですが、独特のリズムがありますね。佐々木中さんの文章は。
こんな感じの文章が延々と続いています。会話ももちろんあるのですが、「」←がありません。誰の発言だからか一瞬分からなくなることも。
そんな訳でストーリーは単純ですが「簡単に読めまーす☆」というお話ではないです。
それでも読んで欲しい「しあわせだったころしたように」
私は買うのは無理でも借りるなりして、このお話を是非読んでみて欲しいと思います。
お話、というか、佐々木中さんの文章に触れて欲しいと思います。
この文章が生み出すリズムは意識を完全に本の中へと連れて行ってくれます。
そのインパクトたるや。
私がこの本を初めて読んだのは帰りの電車の中で、それもガンガンにUVERworldの音楽を聴いていた時でした。
大好きなUVERworldの曲のはずなのに。
私はこの本を読んでいる時に、今何を聴いているのかが分からなくなりました。
気づいたら、乗り換えの駅でした。
そんな経験初めてだったので「おおおおおお」と感動したのを今でも覚えています。
その勢いのまま、この本をUVERworldのプレゼントボックスに手紙付きで入れたのもいい思い出……
「しあわせだったころしたように」というタイトルの仕掛けにも是非とも驚いて、震えて欲しいです。
佐々木中さんの他の本
佐々木中さんは他にも、以下の本を出版しています。
しあわせだったころしたように、に比べれば他の本はストーリー性が薄まります。
特に最新作の「神奈備」は日本の神道についてずっと語っている本なので、お話というよりも論文に近いです。
もし「しあわせだったころしたように」を読んで、他の本も読んでみようかなと思った方。
私は「晰子の君の諸問題」「夜を吸って夜より昏い」をお勧めします。
この二冊はまだ論文ではなく、お話なので。
前者は晰子(あきこ)ちゃんが可愛い。後者は弟くんが可愛い。
……あれ?
ちなみに「らんる曳く」は私はあまりお勧めできません。好きな人居たらごめんなさい。あの主人公のダメっぷりがどうしても受け入れられませんでした……。
あー、明日楽しみ。
参戦レポートと……あとライヴ会場の側にある掛川花鳥園というところにも行くので、そこについての記事も書きますー。